※写真は、高1生の質問への解説
オールラウンド渡辺です。
最近ふと、
『勉強』って、よく考えたらドラゴンクエストのような『RPG』 にちょっと似てないか??
なんてことを思いました。
そして、
『RPG』に例えて『勉強』を捉え直してみたら、 もしかするとこれまで効果的な対策がずっと見つからなかったよう な諸問題にも突破口を開くことができるんじゃないか?
という気になってきたので、まだ深くは考えきれていませんが、 備忘録かたがた思ったことを以下に書いていきたいと思います。
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まずは、
『勉強』と『RPG』でそれぞれ対応していると思われる用語・表現集( 順不同)
を書き出してみます。
【対応用語・対応表現集】
『勉強で言うところの(以下、勉強)』
・自分
『RPGだと(以下、RPG)』
・勇者
『勉強』
・やる気
『RPG』
・ゲームをプレイする気
『勉強』
・問題
『RPG』
・モンスター
『勉強』
・問題の難易度
『RPG』
・モンスターのレベル(強さ)
『勉強』
・正答
『RPG』
・モンスターに勝利
『勉強』
・ひらめき
※
たまたま難問を正答すること。
『RPG』
・会心の一撃
※
たまたま強敵を倒すこと。
『勉強』
・勉強(テスト以外の自習など)
『RPG』
・普通の戦闘(ボス戦ではない)
『勉強』
・テスト(小テスト、定期テスト、模試など)
『RPG』
・ボス戦(小ボス、中ボス、大ボスなど)
『勉強』
・受験問題(志望校レベルの)
『RPG』
・ラスボス
『勉強』
・正確な「暗記力(←誤字脱字しない力)」や「文章力(← 意味の通る文を書く力)」や「計算力」といった、「 アウトプット力」
※
この「アウトプット力」だけがあっても、 そもそも知識が全然なかったら一定レベル以上の問題は解けない。 また逆に、 いくら知識がたくさんあってもそれらの知識を正確にアウトプット する力がそもそもなければ、 それらの知識をうまく正答に活かすことが難しくなる。
『RPG』
・ちから
※
この「ちから」だけがあっても、 そもそも武器が全然なかったら一定レベル以上のモンスターは倒せ ない。また逆に、 いくら武器がたくさんあってもそれらの武器を正確に振る力がそも そもなければ、 それらの武器をうまく戦闘勝利に活かすことが難しくなる。
『勉強』
・知識(の量)
※
「学校・塾・本・ネットなどから有料or無料で手に入れる」、「 問題を通じて知る」等によって増え、 いろんな問題が解けるようになる。また、 高度な知識ほど難問に有効だが、それらの高度さに対応できる「 暗記力(←誤字脱字しない力)」、「文章力(←意味の通る文を書 く力)」、「計算力」などの「アウトプット力」 をもってないとそもそも身につけることができない。
『RPG』
・武器(の数)
※
「武器屋や宝箱などから有料or無料で手に入れる」、「 モンスターから拾う、盗む」等によって増え、 いろんなモンスターが倒せるようになる。また、 重い武器ほど強敵に有効だが、それらの重さに対応できる「 ちから」 を勇者がもっていないとそもそも装備することができない。
『勉強』
・難問を見た時のストレス耐性
※
「もっている実力をキチンと結果に出す力」が上がり、「難問を見た時のストレス耐性」アップのおかげで難問に頭が痛みにくくなると、 より長時間勉強できるようになる。
『RPG』
・身のまもり
※
「レベル」が上がり、「身のまもり」アップのおかげで強敵から受けるダメージ数が減ると、 より長時間HPがなくならずに戦闘を続けられるようになる。
『勉強』
・テストなどの緊張状態でも問題を正確に正答するスピード
『RPG』
・素早さ
『勉強』
・論理的思考力、批判的思考力、想像力、創造力など
※
「ひらめきの発生率」に関わる能力を指す。難易度の高い志望校ほど、この能力も上げる必要が出てくる。
『RPG』
・器用さ
※
「会心の一撃の発生率」に関わる能力を指す。 ラスボスのレベルが高いほど、この能力も上げる必要が出てくる。
『勉強』
・「もっている実力を難しい試験の本番でキチンと結果に出す力」のアップ
※
「暗記や文章構成や計算といったアウトプット力の正確性」・「難問を見た時のストレス耐性」・「緊張状態でも正確に書くスピード」、「論理的思考力など」が主にアップすることを指す(←なぜそう言えるのかというと、これらがないと十分に解答ができないままで試験が終了したり、難問にやられて思考エネルギーが尽き果てたりするから)。
頑張れば何とか解けるくらいの難易度の問題をたくさん正答していくことでアップする。
『RPG』
・レベルアップ (「もっている戦闘力分のダメージを強敵との実戦でもキチンと与える力」のアップ)
※
「ちから」・「身のまもり」・「素早さ」・「器用さ」が主にアップすることを指す(←なぜそう言えるのかというと、これらがないと十分に攻撃ができないままで戦闘が終了したりモンスターからの攻撃にやられてHPがゼロとなったりするから)。
頑張れば何とか倒せるくらいのレベルのモンスターをたくさん倒していくことでアップする。
『勉強』
・「成績(偏差値)」のアップ
※
上の「もっている実力を本番で結果に出す力」と「知識量」の両方が上がることを指す。
『RPG』
・戦闘力アップ
※
上の「レベル」と「武器の数・攻撃力」の両方が上がることを指す。
『勉強』
・難しい問題でも長時間取り組める「体力・思考エネルギー」
※
「体力・思考エネルギー」は、運動等によって最大値を増やしたり、 睡眠によって回復させたりすることができる。
『RPG』
・「HP」
『勉強』
・やる気がなくなる。
『RPG』
・ゲームをプレイする気がなくなる。
『勉強』
・問題が解けず疲れすぎて寝落ちする。
※
マイナス感情の中断。これが続くと「やる気の喪失」につながる。
『RPG』
・モンスターが倒せずHPがゼロになって戦闘に敗北する。
※
マイナス感情の中断。これが続くと「ゲームプレイする気の喪失」につながる。
『勉強』
・問題をたくさん解いて、疲れて仮眠をとる。
※
プラス感情の中断。「もっている実力を難しい試験の本番でキチンと結果に出す力」アップにもつながり、重要な行動。
『RPG』
・たくさん戦闘してHPが減って、宿屋で睡眠(回復作業) をとる。
※
プラス感情の中断。早いレベルアップにもつながり、重要な行動。
『勉強』
・問題をパスする。
『RPG』
・モンスターから逃げる。
『勉強』
・解答や解説を見たり、解説を受けたりする。
※
テスト中には利用できない。また、難しすぎる問題の場合は、 たとえ解説を受けても結局正答できない可能性アリ。
『RPG』
・モンスターの攻撃力や守備力を下げる魔法を使う。
※
ボス戦では使用できない。また、強すぎるモンスターの場合は、 たとえ魔法をかけても結局倒せない可能性アリ。
『勉強』
・「理解しないまま暗記だけで好成績をとるテクニック 」を使う。
※
このテクニックは「暗記できる量」にも限りがあるし「暗記内容の持続時間」も比較的短いので、長い目でみると、あまりこれに頼りすぎることをオススメしない。
『RPG』
・「勇者の攻撃力を上げられる魔法」を使う。
※
この魔法は使用回数にも限りがあるし「効果の持続時間」も比較的短いので、長い目でみると、あまりこれに頼りすぎることをオススメしない。
『勉強』
・中学まで好成績だったが、高校に入って成績が崩れてしまった。
※
中学では問題も易しく問題数も少なかったので「 アウトプット力がそこまで強くなくても対応できる難易度の知識」 さえ正確にアウトプット(or
理解しないまま暗記)できれば問題を正答できたが、 そのようにして「正確なアウトプット力」 自体を大学受験レベルまで鍛えてこなかったため、高校で「 大学受験レベルの問題を解く難易度の知識」を身につけることができない( or それらの知識を正確にアウトプットすることができない)。
また、問題数も中学時代より多く、「理解しないまま丸暗記するテクニック」 を使うにしても「暗記できる量」に限界がある。
『RPG』
・前の世界(旧ステージ)では強かった勇者が、今の世界(新ステージ)では弱くなってしまった。
※
前の世界ではモンスターも下級で数も少なかったので、「 勇者の『ちから』が下級でも対応できる重さの武器」 さえ正確に振る(or「 その戦闘に限り勇者の攻撃力を上げられる魔法」を使う) ことができればモンスターを倒せたが、そのようにして勇者の「 ちから」を中級~上級に鍛えてこなかったため、今の世界で「 中級~上級モンスターを倒す重さの武器」を持つことができない(or
それらの武器を正確に振ることができない)。
また、モンスターの数も前の世界より多く、「 その戦闘に限り勇者の攻撃力を上げられる魔法」 を使うにしても使用回数に限界がある。
『勉強』
・中学まで大した成績じゃなかったが、高校で伸びた。
※
中学ですでに「アウトプットする力」 自体は大学受験レベルだったが、知識定着を怠ったりアウトプットを真剣にはやらないなど、 やる気がそもそも希薄だったため大して問題を正答できずに いた。が、高校でやる気が上がり、 高度な知識を含む「知識の量」を増やしたので( 高度な知識をアウトプットする力は既にある)、成績(偏差値) が上がった。
『RPG』
・前の世界(旧ステージ)まで大して強くなかった勇者が、今の世界(新ステージ)で強くなった。
※
前の世界ですでに勇者の「ちから」自体は中級~ 上級レベルだったが、武器入手を怠ったり力を真剣には入れないなど、 ゲームを真剣にプレイする気がそもそも希薄だったため大してモンスターを倒せずにいた。が、 今の世界でゲームをプレイする気が上がり、 重い武器を含む「武器の数」を増やしたので( 重い武器を振る力は既にある)、戦闘力が上がった。
『勉強』
・大学共通テスト(一次試験)
※
二次試験と比べて、易しい、多量、多科目数、短時間、 難易度バラバラ(簡単な問題も多い)、 完答しないと得点にならない、難易度により配点が違う、「 完答した分」のトータル得点を競う。
『RPG』
・100匹のモンスター(中級~上級レベル) から短時間にどれだけ「経験値」が手に入れられるかを競うラスボス手前戦。
※
モンスターのレベルはバラバラ(下級レベルも多い)、 完全に倒さなければ経験値は得られない、 モンスターのレベルにより経験値が違う、 トータルの「経験値数」を競う。
『勉強』
・国公立二次試験
※
一次試験と比べて、総じて難易度が高い、少量、少科目数、 時間多い、部分点あり、「解答分」のトータル得点を競う。
『RPG』
・ 10匹のラスボス級モンスターに、時間をかけてどれくらいたくさ んの「ダメージ数」が与えられるかを競うラスボス戦。
※
モンスターのレベルは総じて高い、完全に倒さなくてもよい( 与えたダメージ数がカウントされる)、トータルの「ダメージ数」を競う。
『勉強』
・定期テスト(1学期中間テスト、学年末テスト、など)
※
準備期間は短いが、大学共通テスト(一次試験)よりは準備範囲も狭ければ難易度も低く、また、やろうと思えば「 理解していないのに好成績をとるテクニック」の使用が可能。
『RPG』
・100匹のモンスター(下級~中級レベル)相手に経験値&ダメージ数を競うボス戦。
※
「レベルの低い勇者」からのスタートでレベル上げ期間も短いが、 「中級~上級モンスター100匹戦」 よりはモンスターの種類も少なければモンスターのレベルも低く、 また、やろうと思えば「 その戦闘に限り勇者の攻撃力を上げられる魔法」の使用が可能。
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書いているうちに思考が広がってクドくなってしまいましたが、、、こんな感じでしょうか。
では次に、上の「用語・表現集」をさっそく使用して、
「A」
・『勉強』でよくあるトラブル
「B」
・そのトラブルを『RPG』 で例えるとどういう状態だと言えるか。
「C」
・『RPG』でそのトラブルを解決するとしたら、 どんな対策があるか。
「D」
・『RPG』でのその対策を、再び『勉強』 に置き換え直すとどうなるか。
のアルファベット順で、『勉強』に関する諸トラブルの対策案( 今回は以下2点)を探ってみます。
【よくある勉強トラブル(1)】
(A)『勉強』でよくあるトラブル
・難しすぎる課題を大量に与えられ、 ギブアップですぐに寝落ちしてしまう(or 勉強が嫌いになってしまう)。
(B)そのトラブルを『RPG』で例えると?
・強すぎるモンスターばかりで、すぐ敗北してしまう(or ゲームをプレイする気がなくなってしまう)。
(C)『RPG』でそのトラブルを解決するなら、 どんな対策がある?
・「モンスターに勝たないと勇者のレベルも上がらない」、「 何もしていないのに勝手に勇者のレベルが上がることはない」 という前提なのであれば、まずは「 頑張れば何とか勝てるモンスターのみと戦闘し、 勝利してレベルアップする」を優先させる。
(D)『RPG』でのその対策を、再び『勉強』 に置き換え直すとどうなる?
・「解けないと実力も上がらない」、「 何もしていないのに勝手に自分が賢くなることはない」 という前提なのであれば、まずは「 頑張れば何とか解ける問題を解いて、実力アップする」 を優先させる。
【よくある勉強トラブル(2)】
(A)『勉強』でよくあるトラブル
・前から順に問題集(全100問とか)を解いていき、 難しい問題が出た時点でそこから先へ行けず動きが止まってしまい 、ギブアップで繰り返し寝落ちしてしまう(or 勉強が嫌いになってしまう)。
(B)そのトラブルを『RPG』で例えると?
・遭遇した順に100匹のモンスターと戦闘していき、 強い敵が出た時点でそこから次のモンスターへと進めずに動きが止 まってしまい、繰り返しHPがゼロとなって敗北してしまう(or ゲームをプレイする気がなくなってしまう)。
(C)『RPG』でそのトラブルを解決するなら、 どんな対策がある?
・強い敵からはいったん逃げて、 何とか勝てるモンスターから先に倒してレベルアップを図る。
(D)『RPG』でのその対策を、再び『勉強』 に置き換え直すとどうなる?
・難しい問題はいったんパスして、 何とか解ける問題から先に解いて実力アップを図る。
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さっそくこの『RPG視点によるアプローチ』を試してみると、「 たしかに...」としか言いようがないような、 何ともシンプルな解決策が出てきましたね。
結果が至ってシンプルなため一見したところでは大したことのない アプローチ法かのように思われそうですが、 上の「用語・表現集」の各対応関係といい、このアプローチ法は「 この部分がちょっと無理やりな感じかな…」 といった矛盾点もそこまではもっていないように感じたので( もしありましたら、ぜひご教示ねがいます!)、 もしかしたら今後も「勉強に関する諸問題」に対する良いアプローチ法として効果的に活用できるかも知れません。
他にもいろんな問題に当てはめてみて、 実用性等をもう少しチェックしていきたいと思います。
「楽しいから行う」という知的好奇心や興味、また「 もっとできるようになりたい」 というチャレンジ精神などのことを『内発的動機づけ』 と呼ぶそうですが、 オールラウンドの塾生たちにもきっとあるはずのこの『 内発的動機づけ』を今後も高めていくため、 引き続きできることから一つずつ工夫していきたいと思います。