オールラウンド卒塾生、渡邊匠(わたなべ たくみ)君の受験体験談&学習アドバイス

私立大学定員厳格化により「A判定でもボロボロ落ちる」年となった2019年に、晴れて「立命館大学(法学部)」に合格。充分に自立してオールラウンドを巣立っていった渡邊匠(わたなべ たくみ)君が、受験生活の体験談と学習アドバイスを書いてくれました。  

 

今年受験をする学年にとってはもちろん、高1、2生といった他の学年の方々にも参考になるところがたくさんあると思います。

 

匠くん、Enjoy your next challenge !

 

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渡邊 匠(わたなべ たくみ)君

(津東高卒)

 

「2018年度の不合格校」

立命館大学(法学部、文学部、経営学部)

近畿大学(法学部)

 

2018年度センター試験実績

英語145/200点

国語128/200点

日本史69/100点

(トータル68.5%)

 

「2019年度の合格校」

立命館大学(法学部)

近畿大学(法学部)

 

2019年度センター試験実績

英語187/200点(自己最高記録)

国語160/200点

日本史83/100点

(トータル85.5%)

 

 

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【総括、そして次のステージへ】

 

2019年2月25日、自身最後の入試が終わった。

 

疲労とともに感じたのは、清々しいものであった。

 

1年間、いや高3の時から始めた受験勉強、1年半~2年やってきたことが今終わったのだ。

 

自分がこの塾に入ったのは、2017年6月、尾崎先生から「高校専用の塾を開校する」という連絡を受けたのが始まりである。

 

6月下旬、渡辺先生と出会った。

 

初対面にもかかわらず、あれほど緊張せず話せた大人のひとは今までにいただろうかと思った。

 

渡辺先生の人間的な人当たりの良さが、自分の気を惹いたのかもしれない。

 

今までたくさんの塾の先生に出会ってきたが、初めて自分の本心を最初からさらけ出すことができた気がした。(あと200日しかないし、今の成績から上がるのだろうか…など)

 

もちろん、その時にはもう既に部活も終わり、本格的に受験勉強に入っていくという時期で、エンジンがかかり出した時だったから、自ら熱心に話すことができたのかもしれないが。

 

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実際にこの塾で始めたことは本当に簡単なこと、つまり基礎的な内容であった。

 

例えば、英単語、古文単語、古典文法など。

 

正直、今のこの時点(高3の7月)で、それらの事はほぼ完璧にできていると思っていた。

 

しかし実際、小テスト(←予習を軽くしてから、40問の英単語を和訳させるテスト)をやってみると、満点はおろか、90%も危ういところだった。

 

覚えているはずなのに、書けない…

 

あのもどかしい気持ちは今でも覚えている。

 

その頃、英語に関しては長文が読めるようになってきていたので、単語がもっと分かるようになれば、長文ももっと楽に読めるようになるのではないかと思い、地道ではあるが、やる気になったのだと思う。

 

そして改めて、やはり基礎は大切だと感じた。

 

結局、11月頃まで週に200単語ずつ小テストをしていた。

 

その結果、受験直前でもセンターレベルの単語で困る事は無かったと思うし、ある程度の長文ならば読めるという自信になっていた。

 

ただ、センター試験の問題や私立一般入試の問題にはあまり慣れることができなかったなと感じた。

 

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2018年3月、全ての入試が終わったとき、受験が終わったという感じは全くなく、燃え尽きた感じも無かった。

 

自分の実力を出し切れなかったと感じた。

 

そう感じるのが当時は一番辛かった。

 

このままでは終われるはずはないし、まだまだ伸び代はあると思った。

 

そして、もう一年勉強するという結論に至った。

 

半年間この塾でやってきたことを継続し、さらに発展させることができれば、必ず成績は上がると確信していた。

 

一般的に言えばもう一年勉強するということは、大きな決断だと言う人もいるが、自分にとってそれは難しい選択ではなかった。

 

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この1年で学んだこと。

 

その一つは、「自分を知る」という事である。

 

「自分の事は自分が一番よく分かっている」と考える人は多いかもしれないが、人間は意外と自分の事を分かり切っていないと自分は考えている。

 

浪人時代の序盤、なぜだかは分からないが、勉強に身が入らない日があった。

 

勉強しようと決めていた日なのにできない。

 

今考えれば、受験本番までまだまだ時間はあるから焦る必要はないと、多少の慢心はあったと考えられるが、当時はそんな気持ちではなかったと思う。

 

そのうち、やらない自分に腹が立つし、自分の事が嫌いになった時もあった。

 

終盤にも同じようなことがあった。

 

受験が近づくにつれて、メンタルのバランスを保つのが難しい時があった。

 

マイナス思考になりすぎて、何もしたくない日もあった。

 

もちろん焦りもあった。

 

しかし、そんな自分を受け入れられるようにもなっていたのだ。

 

「良い時の自分も自分であり、悪い時の自分も自分である。」

 

また、日頃からしっかりやるべきことをやっているから、週一回家で何もせずに過ごしても大丈夫だと思うようになったし、逆に一日休んだ方が、勉強する日に高い集中力で取り組む事ができるということにも気付いた。

 

それはあくまでも自分のスタイルであり、「受験直前期は毎日休まず12時間勉強!」という目標を立てるのもアリだと自分は思う。

 

本番直前は誰でも不安に駆られるのであり、それが普通であるが、結果が出ないと本当に辛いし、もう無理だと思いかけた時もあったが、できるだけ開き直るようにしていた。

 

とはいえ、考えれば考えるほど、気分が沈んでしまった。

 

その時、先ほど述べた「自分を受け入れる」という事がしっかりできたかというと、あまり出来なかったと思う。

 

しかし、今思うに、そうできなかったあの時の自分を悲観したり責めたりはしていない。

 

なぜなら、それはこれからの課題にしていけば良いと思っているから。

 

どんな時でも自分を客観視するのは簡単な事ではないかもしれない。

 

だが、これからの人生で、自分ならきっとできるようになると思っているし、そうできるように努力していくつもりである。

 

“自分を知り、自分を受け入れる”という事は、一年の間、自分と向き合う時間が長かったからこそできた事だと感じている。

 

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受験勉強に取り組む中で、ある転機が起こった。

 

7月下旬頃、前年度の立命館大学の入試の得点を開示するシステムを利用したのである。

 

これまではあまり見たいと思わなかったのだが、急に見てみようと思ったのだ。

 

法学部は、206点が合格最低点で165点、177点、184点と、順に41点、29点、22点足らなかった。

 

しかし、文学部は226点が合格最低点で、自分は222点だったのだ。

 

4点足らなかった

 

日本史を2つ以上正解していれば…という本当に紙一重の所まで来ていたという事をその時初めて知ったのである。

 

その結果を見たとき、「あと4点だったのか…惜しかったな…。」という悔しい気持ちよりも、清々しい気持ちなったのである。

 

そこで初めて、自分がやってきたことは間違いではなかったのだと、結果を通して確信することができた。

 

さらに、今やっていることにも自信を持てるようになったし、来年は行きたかった学部に絶対に合格しようと強く思った。

 

あと4点だったということは、最後まで、渡辺先生や尾崎先生(階上の小中学塾「尾崎塾」塾長)、家族含め誰にも言わなかった。

 

勉強が少し行き詰まった時は、あの結果を思い出し、自分を奮い立たせるなど、自分にハッパをかけていたときもあった。

 

去年より成長したという所を、今度は合格するという結果で示そうと思ったのである。

 

決して消えない聖火のように、勉強に対する気持ちは最後まで完全に消えることはなかった。

 

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この1年間は、ただ勉強だけしていたのではない。上記に述べた、自分を受け入れるといった、自分と向き合うことで分かったことがたくさんあった。

 

だが、自分はまだ社会で何も成し遂げていない。

 

オールラウンドで学んだこの1年間はただの1年のビハインドでないということを、これからの人生で自分の手によって証明していきたいと強く思うのと同時に、サポートしてくれた家族、そして渡辺先生、尾崎先生、この1年で関わったすべての人に、言葉では言い表し切れないが、感謝している。

 

 

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【自分が高1、2に戻れたらするであろう、参考書の使い方、学習の進め方】

 

☆「英単語ターゲット1900(以下、ターゲット)」は、英単語を覚える中で、必須の教材だと思う。

 

学校で使っている英単語帳もあると思うが、少なくともターゲットはやった方が良い。

 

今だから言えるのかもしれないが、自分が高1、2なら、ターゲットは授業の日は必ずやる。

 

学校の宿題が多いからやらないとかではなく、やらないと気持ち悪いくらいにする。

 

60個くらいなら、電車の行き帰りや隙間時間で、やろうと思えば誰でもできること。

 

高2終了までに1500番目~1900番目を一通り「見たことがある」というふうにしておくと良い。

 

逆に、高3に入るまでに1000番目も覚えてないとかなりヤバいし、間に合わないかもしれないと思った方が良い。(もちろん単語がすべてではないが)

 

高3は、部活が終わる頃には1500番目~1900番目を一通りやっておく。むしろ英語の勉強の中心は単語で良いくらい。

 

英語はほとんどの大学で配点が一番高く、地道な努力をかなり必要とするが、取れるようになれば得点源になる。

 

だが、スタートが遅すぎると、伸びそうなときに本番を迎えることになる。

 

ターゲット以外の単語帳の方が使いやすいという人もいるだろうが、何らかの形でターゲットと同じようにアウトプットができるようにした方が良い。

 

他のを覚えるといっても、アウトプットがなければ定着していないのと同じ。

 

ぶっちゃけ自分は高3の秋まで単語の小テストをしていたが、それでは遅いと思った。

(見たことがあるのがほとんどであったが)

 

単語に時間をかけることができるのは高3の1学期頃まで。

 

つまり、高2のうちにほぼ制覇しておくことが大切。

 

☆古文単語

 

高2は色々とたるみやすいので、その時に古文単語をやるのが良いと思う。

 

高2の夏休みに、英単語と並行してある程度の目標を決めて、その夏は古文単語と英単語にささげるくらいで良いと思う。

 

英単語と同様、やると決めたら、しっかりとやる。特に「古文単語ゴロゴ」はA、B、Cと頻出度別に分かれているので取り組みやすい。

 

☆「古典文法基礎ドリル」

 

一見簡単そうであるが、ナメていると痛い目に遭う。

 

これを完ペキにすれば、センターの文法問題など、自信を持って取り組める。

 

高3の夏休み前までに完ペキにできるようになるのがベストだと思う。

(古典に自信がない人は夏休み中にじっくりやるのも良いが)

 

基礎の参考書であるが、とても役に立つし、学校で配られる文法書よりも的確に大切なポイントが載っているので、センターなど、受験本番にも持って行った。

 

☆日本史、講義の実況中継

 

私立文系一般入試を受けるなら、おすすめ。

 

説明が詳しいし、ポイントを復習できる付録もついているので、定期テスト対策にもなる。

 

歴史の詳しい流れが理解しやすいように工夫されているように感じる。

 

ただ、かなりの継続力が必要。

1日1項目で良いが、大抵、それすらする余裕もないと思うので、2日に1項目で良い。

さらに、日本史が苦手すぎる人には少しキツいかもしれない。

(やる気があるなら、大いに活用できるが)

その場合は、もう少し易しめの方が合うと思う。

 

私立一般を受けるかどうか分からない人でも、日本史が好きならやるべきだと思う。

講義形式なので、教科書よりも読みやすい。

 

※また、この参考書を読んでからその内容の教科書を読んだり、学校の授業を受けると、教科書や授業が簡単に思えた。