良い流れ

オールラウンド渡辺です。

 

1週間ずつズレていた各高校の中間テスト対策が、先週ようやく終わりました。

 

それぞれの成績表は近いうちに揃う予定ですが、聞いているだけでも「1年生のRさんが、ずっと苦手だった数学で初めて追試にかからない点数を取れた(平均60点台のテストで80点台!)」、「2年生のKH君が、数学で学年順位2ケタまで上がった」、「2年生のKO君が、全教科トータルで学年順位2ケタになるかも知れないほど、全体的に良い点が取れた」などと言った嬉しい報告があり、それぞれに努力した分の成長ができて何よりです。

 

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浪人生は、

 

H君は、9月センター全国模試で数IAが7月の偏差値51.6から9月55.3と、着実に成績を上げています。

 

日々のセンター過去問&問題集の演習では、国語が先月の5割台から今月は6~7割台に、英語の長文(第4~6問)も先月の5割から今月は8割台に、数学は先月の6~7割台から今月は7~8割台に上がってきました。

 

国語はようやく古文で満点が出るなど現古漢ともにバランスよく上がってきておりますが、英語長文は第5問の小説系でやや苦戦しており、ここが満点取れるようになれば長文全体で9割を超えるので11月はここの底上げが課題です。

 

 

T君は、9月記述の全国模試でも日本史で偏差値66.2を取り(センター模試は偏差値72.7)、4月に作成した「暗記→定着」の効率的作業サイクル表に沿った勉強が順調に効果を出しています。

 

国語と英語の記述問題(2次試験用)に関しても、時間さえかければ合格レベルの解答が書け、解説の文章も独力で理解できるまでになっていますが、時間内に解く練習がまだ十分にできていないため、模試では思うように結果が出せず、「答えを見たら今の実力でも十分解答できるハズの問題をたくさん落としてしまっている」とのことでした。

 

本人は悔しがっていましたが、僕自身は良い流れだと感じています。

 

記述試験はセンター形式(選択)の試験とは違い、運や浅い知識では歯が立ちません。

 

成績アップの戦略としては大きく分けて、

 

・時間を区切り、制限時間内にできるだけたくさん正解を出せるようにする。

 

・時間を区切らず、「これ以上時間をかけてもより良い解答が出せない」と思うほどベストを出し切ってから解答・解説を学ぶ。

 

の2つがあり、本人の「基礎力(単語・公式等)のレベル」や「受験本番までに残された時間」等に応じてベストな選択が変わります。

 

T君(と後述の高3生I君)の場合は比較的基礎力もあり時間にも余裕があるため、まずは「時間を区切らずベストな解答を書ききってから解説を学ぶ」スタイルを行い、解答レベルが十分に上がってから「点数を維持しつつ時間を短くしていく」スタイルに切りかえるという選択をとっています。

 

この順番をとっている理由ですが、もし逆に「時間制限あり」の練習を先にしてしまった場合、「どれだけ頑張っても正答できない問題」だけでなく「もう少し時間があれば正答できたであろう問題」まで不正解となる経験が増えるため、勉強や自分の能力に対しネガティブな感情をもってしまう機会が増え、日々の学習意欲に無駄に悪影響を与えてしまうリスクが増える、と考えるからです。

 

トコトン考え抜く時間がなかったために不正解となってしまった問題まで脳内で「苦手な問題」側だと誤認し自分の能力の限界を不必要に低く見積もってしまうというリスクを避けるため、まずは時間制限を取り除き、「自分の本当の理解力や能力」を正しく認識した上で、本当に鍛えるべき部分だけ鍛えられる環境をキープしています。

 

そうすると当然T君やI君のように「実力が出し切れない!」という問題にぶつかるタイミングが出るのが当然で、むしろその問題に直面して初めて「無事に実力を上げられた」ことが証明されるので、上記のように「良い流れ」と判断しています。

 

(もし実力が上がっていなければ、「解説を読めば意外と簡単だった」と言える問題の割合も少なくなるため、「実力が出し切れない!」という気持ちはその分だけ小さくなります)

 

モチロン本番は「時間内に」たくさん正答できる力が求められますが、「分かる問題は瞬時に正答できるが、そもそも理解すらできない問題が多い」という状態に比べ、「どんな問題でも時間をかければ正答できるが、早く解く練習が不十分」という状態の方が成績を上げるのに必要な負荷は基本的に小さいであろうと考えられるので、ここからは記述しかりセンターしかり、ゆっくり考えたときの点数は維持したまま時間を少しずつ短くしていく段階に入っていきます。

 

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高3生は、

 

I君は、先々週に始めた記述数学IAIIB(中堅・難関大学過去問より60問分)の「ホワイトボードで解答→即解説」スタイルの授業が昨日終わりました。

 

I君自身も、「知ってるのに意外と定着していない解法がいろいろ出てきて、良い練習になった」とのことで、何とか全ての問題の解法が理解できたので、以後のアドバイスとして「解答は書かなくていいからしばらくは頻繁に問題を読んで、解法がパッと思い出せるようにしておくこと」をすすめておきました。

 

難関私立くらいまでは計算も合っていないと丸々点数を落としてしまうかも知れませんが、難関国公立の場合は「計算は正確だがそもそもの解法が間違っている答案」と「計算は間違っているが、解法や正答を出すための道筋の説明は正しい答案」では後者の方が高得点を得られると考えられるため(理由は、大学になると数学ではより高度で複雑で解も1つに定まらないようなものをたくさん扱うようになることから、計算自体はコンピュータを使ってもよくなる場合も多く、そのため四則演算を正確に行う力や公式の形を正確に覚えていることよりも「目的達成のために何の公式をチョイスしどういう順序で計算していくべきか」という道筋を正確に考えられる力の方が重要となるから)、彼にも問題文を読んだだけでパッと解法が複数思い浮かぶ力を鍛えさせたいと思います。

 

KK君は、夏休みの勉強の成果が着実についており、数学のセンターの問題の正答率がかなり高くなっています。解くスピードも夏までに比べては上がっていますがまだ本番で実力を出し切るにはもう少しスピードが必要になってくるので、少しずつ時間を意識した対策も取り入れていきたいと思います。

 

T君は、いよいよ最初の受験が残り1か月を切りましたが、初回は数学のみの受験のため、数学をメインに実力の底上げを行っております。

数学は比較的得意科目なので、受験生が間違えやすい部分の解説等、最終的な調整を行っていきます。

 

KW君は、引き続き英国数の基礎力(単語・文法・公式等)の詰め込みをしつつセンターの数学や英語長文の演習にも少しずつ取りかかっています。

 

10月入塾ということで余裕は一切ない状態ですが、この10月中だけで英数国の基礎項目の暗記1周目を終わらせるように組んだweeklyの目標は順調に達成しているので、基礎が終わり次第実践演習をドンドン行っていきます。

 

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高2生は、いよいよ秋から冬に向かう中で受験への意識が高くなる塾生も増え始めています。

 

高2生は今年の頭から英単語をコツコツと続けてきたので、高3になるまでに1500語を1周することができそうです。

モチロン1回覚えただけではすぐ忘れてしまうと思いますが、英単語など膨大な量のものを覚える場合、高3の時点で「一度覚えられたものをもう一度覚える」作業になるのと「一度も見たことないものを一から覚える」作業になるのでは精神的な負担も実質の負担も大きく変わるので(これまでの受験生たちからの意見も含む)、これまでの蓄積が受験期に活きてくるよう引き続きコツコツ積み重ねていきたいと思います。

 

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高1生は、中学時代との学習レベルの違いにこそ慣れてきたもののまだまだ受験も先のため、「高校で習ったことの復習」スタイルと「高校で次に習う範囲の先取り」スタイルを柔軟に切りかえながら、高校で習ったor習っている範囲で苦手項目が残ったままにならないように意識しております。

冒頭にもある通りRさんが苦手な数学で平均点が60点台のところ80点台を取るなど、それぞれ少しずつ勉強のコツが掴めてきたように感じるので、引き続き楽しく成績を上げていけるように工夫していきます。