急がば回れ

オールラウンド渡辺です。

 

来週から各高校で始まる定期テストに向け、学年ごとの教科別対策プリント作成&アウトプットサポートが始まってきました。

 

-------

 

浪人生は、

 

T君は、現代文も古文も英語も基礎知識に関しては東大京大を目指せるレベルくらいまで身についたと思うので、今週から東大の現代文の過去問を解かせています。

明日からは英語も一部解いていく予定です。

 

いま彼の目指している大学は東大ではないものの難関公立大学で現代文の設問形式も似ているため、東大現代文レベルの読み込みができれば志望校の問題も易しく見えるようになり、受験本番でも「東大の問題よりは簡単なハズ」と落ち着いて解答できる、というメリットが得られると思います。

 

これまで記述現代文テキストに関しては東大京大レベルのものを使用し2~3周して記述の仕方を身につけてきただけあって、2015年の問題を解いてみた感想を聞いてみると、「もちろん完璧には解けなかったが、東大だからといって異常に難しいとは感じなかった。解説をみても一部を除き理解・吸収できるレベルだった」ということでしたので、負担にならない限り続行していく予定です。

 

課題は数学。今年から始めたということでまだ引け目を感じている部分はあるようですが、真剣に取り組めば十分偏差値60以上を目指せる基礎力をつけてきたので、この秋で数学も武器にできるようにサポートしていきます。

 

 

H君は、2週間前に改めて解説したSVOCの知識を丁寧に毎日の模試演習で適用しており、これまでなかなか正確に訳せなかった設問文がかなり正確に訳せるようになってきました。

おかげで苦手な長文問題も先週まで5割前後だったのが今週は7~8割で安定しています。

 

古文漢文も力を入れている分だけ同様の伸び方をしています。

 

逆に、力の加減を入れ換えた現代文の方がまた下がってきているので少し気掛かりですが、「まずは落ち着いて数科目ずつ個別に結果を出していき、最後に全体を整えよう」という当初からの戦略としてはうまくいっているので、ここで戦略を崩し一度にすべてに手を出してしまうのは却ってリスキーということで、焦らずもうしばらくは予定通り英語と古文漢文の底上げを行う予定です。

 

-------

 

高3生は、

 

I君は、先週末の全国模試で苦手な英語が200点中169点に大躍進しました。

単語も文法も5月の入塾時ほとんど1から始める勢いでしたが、浪人生たちに負けない勢いで勉強しつづけたおかげで数ヶ月で単語・文法のメインを吸収し、今月はもう難関大レベルの記述長文読解や英作文を進めています。

 

課題は古文。単語・文法は英語と同様にシッカリと身につけたものの古文常識不足で読解に苦戦しており、明日も具体的な問題を通して考え方を指導する予定です。

努力した分がすぐに点数に結びつかない時期は非常に苦しいですが、この調子でサポートしたことを一生懸命吸収していけば本番までに十分高得点を取れるようになると思いますので、焦らずじっくり取り組んでいきたいと思います。

 

 

T君も、秋に多くの受験生が苦しむ「伸び悩み」に苦しんでいますが、明らかに春の時点から数学も英語もできることが多くなっているので、落ち着いて今のペースを崩さないようにしてこの伸び悩みのステージを乗り越えてほしいと思います。

 

先週から始めた英語長文のオリジナルチェックは10問目が終わり、過去に訳せなかった単語も訳せるまで毎回テストとして出しているおかげで着実に訳せるようになってきました。

 

数学も、だいぶ自力で解説を理解・吸収できる力がついてきていますが、以前にできたことを長く放っておいてまたできなくなると無駄に苦しむ原因となるので、一度できたことを定着させるため頻繁に復習作業を行うことが課題です。

 

 

K君は、夏休みで身につけた勉強習慣をキープしつつ、着々と各科目の勉強を進めています。課題の英語長文を克服すべく現在は別の単語帳も使用し単語や熟語を改めて頭に入れている最中で、実践演習に入るまでのスケジュール管理に気をつけつつ基礎力の再強化を図っています。

 

 

-------

 

高1生は今日は授業の曜日で、

 

英語: 関係代名詞、分詞構文、to不定詞

 

数学: 場合の数(最短距離、同じものを含む順列)

 

を解説しました。

 

 

R君は、数学の三角比(図形と計量)が非常によくできています。高校の授業で三角比が扱われる直前に塾で三角比の重要なエッセンス部分を事前解説したのが非常に理解に役立ったようで、高校の授業ではもう三角比は終盤に入っているようですが、二次関数など別の単元ではたくさん質問していた高校の問題集でも三角比に関してはほとんど質問することなく進んでいます。

 

今回の中間テストは好成績が期待できそうですが、途中でつまづかないように丁寧にサポートしたいと思います。

 

 

K君は、中学までは数学(計算)が得意だったが高校でつまづいたという経緯での入塾ですが、もともと得意な科目で陥りやすい、ここでの投稿でも何度か取り上げている「思考の罠」にかかってしまうところが現在の課題です。

 

急がば回れというコトワザがありますが、深く流れの速い川の向こう側の物を取ろうとして直線的に川を渡るよりも少し離れていても橋を渡った方が早く取れることがあるように、抽象的な考え方がまだうまく理解できないときは具体的な数字や例を使うことがスムーズな理解には非常に大切です。

 

面倒くさがったり「抽象的なままで理解できる!」というプライドを高くもっていたりすると、結果として理解するのに時間がかかったり結局身につかなかったりといった罠に自らはまってしまいます。

 

実をいうと、「しっかりと原理が理解できなくても『理解できているもの』として自由に使用してもよいですよ」というものが「公式」なので、極論すると、たとえば目標が「テストで良い点数を取ること」だった場合、「原理を理解するのに時間がかかって20点」より「原理は説明できないけど、こういう文章問題のときはこういう公式を当てはめたら正解になるということだけ覚えて90点」の方が目標に忠実に進んだことになります。

 

※実際は、問題が確実に解けるようになってから原理を学んだ方が、理解につまづく箇所が減った分だけ効率的に学べます。

 

目標が「時間がいくらかかっても、テストに間に合わなくてもいいから、原理を抽象的なまましっかり頭に入れて問題を解けるようになりたい」であれば現在の勉強法が正しくなりますが、「限られた時間で得点できる力を身につけたい、理解できるようになりたい」であれば、よりその目標を達成しやすい思考法へとシフトチェンジする「決断」ができるかどうかがポイントになると思います。

 

 

Rさんは、数学に苦手意識をもっていますが上述の観点でいくとその苦手意識が逆にうまく作用しています。

 

「諦める」という言葉はマイナスのイメージをもたれがちですが、その語源は「明らむ(あきらむ)」から来ており、「事情などをはっきりさせること」という意味から転じて「理に合わないこと、こだわりを捨てる」に通じます。

 

Rさんも、良い意味で現状を見極め、「現段階で無駄の多い部分は捨てて、得点を上げるために役立つことからやっていこう」という姿勢で勉強するようになってきています。

 

いまはまだ苦しい段階にいますが、成績向上にとても重要な姿勢が身につきつつあるので、引き続きその姿勢を続けられるようなサポートをしていきます。