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(解説:数学、「大学入学共通テスト」形式の記述国語)知識だけでなく、知恵も鍛えていく

オールラウンド渡辺です。

 

今日は、受験生の数学と、高1生は2020年度から始まるとされている「大学入学共通テスト」形式の記述国語を扱いました。

 

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数学では、「確率」に入っている生徒と「図形と計量」に入った生徒に対し、

 

・反復試行の確率と、その最大値

・三角比と2次関数の最大値

 

などを扱いました。

 

「反復試行の確率と最大値」ですが、nの式で表せる確率P(n)が最大となるnを探すには、nだけでなくn+1のときの確率P(n+1)をツールとして使うという戦術を知っておくことがポイントで、そこができればあとはP(n)とP(n+1)の大小関係(大なり、小なり、イコールの3パターン)を求めるだけで

P(1)<P(2)<…<P(10)=P(11)>P(12)>…

みたいになるようなnの値が求まる、といったことを解説いたしました。

 

この質問をくれた生徒は入塾時はほとんど数学ができない状態からのスタートでしたが、現在では九州大学の証明問題や早稲田大の組合せnCrの応用問題の解説を理解できるほど基礎がシッカリ固まってきており、本人も「模試で数IA満点を取りたい」と言うようになってきましたので、この先を楽しみにしつつ、引き続きサポートしていきたいと思います。

 

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2020年度から始まるとされている「大学入学共通テスト」形式の記述国語ですが、具体的な図表・グラフ・資料などを見ながら、それについて議論をしている生徒たちのセリフの流れが自然となるような解答を記述する問題を扱いました。

あくまで僕の印象ですが、これまでの日本の高校教育は暗記など習った言葉や公式がダイレクトに正解につながるようなレベルのものをメインに扱っていて、それが今回の変更(予定)により、膨大な情報から要点を抽出する力や、さらにその抽出した情報を使って今後の対策の判断をしていく力といったものを養おうとしているのだなということが窺えました。

また、海外では普通に学生同士や教師-生徒間でこういった議論を行っておりますが(僕の通っていたオーストラリアの語学学校の授業でもそうでした)、教師→生徒の一方向伝達がメインであった従来の日本の教育体制からこういったアクティブラーニングへ移行していくために、まずは生徒のセリフや流れが大まかに設定されたものを扱ってアクティブラーニングへのソフトランディングを行っているようにも感じました。
(このソフトランディングは、センター英語の第2問Cでも行われています)

 

たしかに上記のような分析力・判断力といった力は問題解決力とも言え、「仕事を始めたばかりの新入社員」と「ビジネス社会で数年間鍛えられた人」との間にある大きな違いの一つだと思いますので、即戦力が求められる時代に入っていることを考えると学生の内にこういった力を鍛える機会が増えるのは僕自身は良いことだと思います。

知識だけでなく知恵を鍛える流れであれば、僕は望ましい流れだと感じます。

 

ビジネス社会に入った人でも練習をしていなければなかなかすぐには身につかない力のため、高1生たちも非常に苦戦しておりましたが、上記のように「この力が社会でどう役に立つのか」について解説してモチベーションを持ち上げつつ、

 

・最初に設問内容をチェックしておいてから本文や資料を見るようにすれば、膨大な情報を全部同等に意識するみたいな無駄が減り、重要な部分だけを見つけやすくなる

 

・「正答となるポイントや条件を抜き出す技術(力)」と「字数内にまとめる技術(力)」は別のため、今は後者を気にせず前者を意識するようにする

 

・生徒A~Cさんのセリフで共通となっている部分(トピック、テーマなど。例「交通事故の死亡者数減少の原因分析」)と、共通ではない部分(対比。例「Aの分析は『国民の意識の向上』、B『車の性能(安全性)の向上』、C『医療技術の向上』」)を意識すると、要点をつかみやすくなる

 

などといった具体的な戦術アドバイスも行い、少しでもベターな取り組み方を理解していただけるようサポートをいたしました。

今後もテスト明けなどのタイミングで少しずつ取り組み、少しずつでも慣れていってほしいと思います。