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(解説:小論文、感性)絶対に負けられない戦い

オールラウンド渡辺です。

今日も引き続きテスト週間で、全学年が自習に来てテスト対策に励んでおりました。

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ハイレベル記述現代文(評論)の参考書を終えた受験生は、いよいよ明日に今年度最後となる試験へ向け、英語、国語、感性の赤本でパターン掴みの最終チェックを行いました。

感性の問題では、大学がオリジナルブランドとしてつくったペットボトルの飲料水について、「大手メーカーと値段の差はないのに売上数が大手に完全に負けていて、かつ予算も1万円しかないという条件で、オリジナルブランドの方の売上比率を改善させる方法を考えよ」という問題を扱いました。

彼からの質問では、「予算が非常に少ないので宣伝広告ではほとんど大きな効果が期待できないという『制約』には気づいたものの、制約のない部分が思いつかず良案が出ない」ということで、工夫していくためのポイントとなりそうなアドバイスをいくつかいたしました。

たとえば、中身が同じ飲み物でも、ほとんど費用をかけずに「付加価値をつける」ことで売上数を上げるという方法が有効な作戦の一つとして挙げられるかと思います。
今回の「ペットボトルの水」の例に適用してみると、たとえば夏だったら売上数を伸ばしたい方の水だけを氷水の入った入れ物の中に入れて「めちゃくちゃ冷たい」という付加価値をつけてみるといった方法です。

これまでの感性の問題を彼と一緒に考えてきた中で、共通する取り組み方といいますか、型や手順みたいなものが何となく見えてきましたので、そのまとめたものを最後に紙に書き(また別の機会に扱いたいと思います)、受験前日の最後の総仕上げが完了いたしました。

彼は年末の時点で古文単語565語と英単語1600語(後日1900全単語と1000熟語も)を完璧に暗記してきたりと、こなしてきたことの量は申し分ないのですが、割と「苦労なく」量をこなせたことで却って「高校入試の方がもっと必死に頑張ってたかも…そう考えると、今回ももっと頑張れたかもと思ってしまう」といった主観的なマイナス感情ももってしまっているとのことでした。
そのため、今日までの2週間は「中学のときの自分に恥じない必死さで勉強ができているか」についても頻繁に確認をとりながら指導を進めてきましたが、今回は彼も「とてもできると思っていなかった現代文の本が全部終わらせられて、難しい英語長文の本も3周できたので、もっと頑張れたかもという思いは今回はないです」と、メンタル面も非常に良い状態で最終日を終えられたようです。
メンタルも勉強量もともに万全の状態で、明日の最後の試験は実力を100%発揮してほしいと思います!

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もう一人の受験生は、例年の合格者レベルの傾向でいくと合格の可能性が高いとみていたのですが、残念ながら不合格でした。
他塾や各進学校でも同様に私立受験組は合格可能性の高い受験生たちが軒並みに不合格となっているようで(例の政府補助金問題の影響がやはり話題に上っております)、試験の出来を見る限りでは数学も万全の状態かつ英語もこれまでで一番ミスの少ない出来だったので非常にショックですが、最後の試験は10日のため、気持ちを切りかえて小論文を対策をしております。

彼はこれまで国語がとにかく苦手で筆者の主張をつかむことがなかなかできなかったのですが、さらに初めて取り組む小論文で受験をすることになり非常に厳しい状況です。
昨日は彼もプレッシャーを非常に強く受けておりましたが、とにかく合格を勝ち取る必要があるため、試験日までに合格に届くテクニックを彼がマスターするべく下記の要点(手順)をしっかりと示し、今日も13時半~18時まで付きっきりで3題の小論文に取り組みました。

彼の受ける小論文は課題文型(長い文章が用意されていて、それを要約した上でその文のテーマについて論じる)ですが、

・要約は対比構造で「世間一般では〇〇だと言われているけど、私は△△だと思う!」という形(〇〇と△△が、「真逆」あるいは「違う」)を見抜く。(具体例などを手がかりにする)
・そのテーマについて論じる手順は、
(i)上の〇〇と△△のどっちを支持するかを決める。
例:『〇〇はよいことだろうか。』
(ii)決めなかったもう片方の良い部分を軽く擁護する」
例:『たしかに・・・。』
(iii)その上で、さらに強い根拠や理由を提示して自分の主張の正当性を訴える。
例:『しかし、・・・。なぜなら、~。』
(この根拠や理由は、個人的なものより「みんなのためになる」といった社会的なものにした方が、説得力を強くできる)
(iv)最後に、あらためて支持する方をもう一回言って締めくくる」
例:『以上より、〇〇(△△)がよいと私は考える。』
とする。

何が何でも上のようなパターンに押し込められるわけではありませんが、設問をみても全く何をどうしてよいか分からなくなってしまうくらいに苦手意識の強い段階では、とにかくこの型を覚えて型通りに練習することで「ほとんどどの問題でも、同じやり方でまともな小論文を最後まで書ききることができるんだ!」と、自信をもって筆を進めることができるようになるはずです。

そうして苦手意識を取ることさえできれば、あとは量をこなすことで「より高度な答案にするための技術」を吸収できる知的スタミナがついて合格も圏内に入るはずですが、その段階に届くためにはこの調子で毎日少なくとも3題以上の小論文を添削し、できる限り多くの時間を二人三脚で焦らず丁寧に取り組んでいくことができるかどうかにかかっていると思います。

「これくらいのことが書ければ、小論文として十分主張性のある答案となる」というレベル感を彼の体に落とし込んでいくため、とにかく残り数日でできるサポートをしていきたいと思います!
一番精神的にキツいのは彼自身だと思うので、とにかくプレッシャーに負けずに頑張ってほしいです!