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(解説:2次ハイレベル英語、感性)長い文は、短くしてみる!

オールラウンドの渡辺です。

 

今日も引き続き全学年の塾生たちが、それぞれ受験にテスト対策にとそれぞれの目標に向かって勉強を頑張っております。

 

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今日は英語と数学と、昨日から始めている科目「感性」についての解説をいたしました。

 

数学は、

『高次方程式問題の定石着目ポイント』

『確率の固定法』

 

英語は、

『接続詞や挿入句の多い長文読解の分解法』

 

感性は、

『発想力を鍛えるテクニック』

 

などを解説。

 

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今回の英語の長文は、下記の通り一文がやたらと長い文章の和訳問題で、質問をくれた生徒も「コンマが多すぎて、Althoughがカバーしている節が一体どこで終わるのか、その区切る箇所が特定できず、読み進めていくほどワケが分からなくなる」と混乱してしまうような、ややこしい文章でした。

 

Although the city dweller's dealing with people whom he doesn't know very well gives him, on the one hand, a certain degree of freedom that he would not have if he were dealing with family and friends in a small town, he loses, on the other hand, the sense of security from living in a close-knit community.

 

ということで、こういう単語数の多い複雑な長文をできる限り正確に訳していくとき、まず初めに取りかかると良い攻略テクニックの一つとして「5文型をつくるのに必要なパーツだけを抜き出した、最低単語数の文にしてみると良い」というアドバイスを今回はいたしました。

 

言葉による説明だけだと分かりにくいかもですので、今回も図解した写真を載せました。(※写真中の「同格that」は、正しくは「形容詞節that」です)

 

 

さて、まずは上の長文の「メインではない」パーツを諸々の括弧に入れると、下記のようになります。

※「()」や「<>」などの違いは「形容詞句(節)」、「副詞句(節)」といった違いを表していますが、今回のメインではないため説明はまた別の機会にしたいと思います。

 

Although (the city dweller's) dealing (with people whom he doesn't know very well) gives him<, on the one hand,> (a certain degree of) freedom [that he would not have if he were dealing with family and friend in a small town], he loses<, on the other hand,> the sense (of security from living in a close-knit community).

 

ということで、結果を先に書き出しますと、上の長かった文(57単語)は、

Although dealing gives him freedom, he loses sense.

にまで減らすことができます。(8単語)

 

ここまで減らすことができれば、だいぶ気分も楽になりますし、元の長文を見たときよりは大まかに意味も掴めそうな気がしてくるのではないかと思います。

 

ちなみにどうやってこの57単語を8単語まで減らすことができるのかですが、ここで高校1年生の最初に習う5文型が役に立ってきます。

 

実は僕自身、この5文型は初めて学んだときにその学ぶ意味や意図が理解できず、「そもそも何のことを学んでいるのか」がサッパリ分からなかったため、現役受験生の頃は全く重要視しておりませんでした。

しかし今回のような長文読解の和訳技術が頭打ちになった浪人時代にたまたま予備校の授業でこの文型を基礎の基礎から丁寧に習う機会がありまして、そこでこの5文型のものすごい有用性にようやく気づいたという次第です。

 

この解説をするのは僕自身がライブ授業で行う場合でも1時間半かかるのと、基礎の基礎知識なのでネットでも本でもいくらでも調べられることからこの記事では割愛いたしますが、この5文型でいう「S, V, O, C」に対応する1単語をそれぞれ抜き出すだけで、どんなに長い文もメイン部分のみの短い文に変換することができるようになります。

 

Although dealing gives him freedom, he loses sense.

(Although S V O1 O2, S V O.)

 

この5文型の基礎をマスターし、ここまで文を短くできるようになると、「あぁなるほど、『何かしらの対応の仕方をすれば、自由は手に入る反面、何かしらの感覚を失う』みたいな、『対比』っぽい文構造になるんだな」といった感じで、ゴール(全訳)へたどり着くためのコンパスとなってくれるような『メインの訳』ができ上がり、これを頼りにすることで少しずつであれ着実に全訳ゴールへと進んでいくことができるようになります。

 

(全文意訳)

Although the city dweller's dealing with people whom he doesn't know very well gives him, on the one hand, a certain degree of freedom that he would not have if he were dealing with family and friends in a small town, he loses, on the other hand, the sense of security from living in a close-knit community.

都市に住む人というのは、よく知らない人々に対してとってしまうような(よそよそしい)対応をすることによって、たとえば小さい町で家族や友人たちといるようなときだったらもてないような自由を一方では得ているが、もう一方ではそれぞれの間柄が近しいコミュニティに住んでいてこそ得られるような安心感を失っている。

 

 

感性は、今回は逆さまに写った世界地図の写真の問題。「この写真について、ビジネスに関連づけながらあなたが考えることを述べよ」という内容でした。

 

生徒も「逆さまの地図を見て、北半球と南半球の違いがよりクッキリと見えたような感じはしたものの、それだけでは『先進国と途上国の格差をなくすべきだ』くらいのことしか思いつかない」ということでした。

 

たしかに、北半球と南半球の違いに着目し、その差を利用した「発想力」のあるビジネスを考えることができれば合格点かと思いますが、今回の彼のように現状分析と感想を述べるだけでは「知的好奇心」、「観察力」、「洞察力」、「発想力」において抜きんでたポイントが得られるかどうかがまだハッキリしないため、さらに工夫していくためのポイントとなりそうなアドバイスをいくつかいたしました。

 

まずは、経営学部の試験であり「ビジネス」と言っているので、現状分析で終わるのではなくそこから「人の喜ぶ新たなサービス案」を思いつくことを出題者は要求している可能性が高い、とアドバイスした上で、昨日に引き続き「制約のある部分」と「制約のない部分」を書き出してみることを勧めてみました。

 

今回の場合は、別に「北半球と南半球の違いを意識したものにせよ」という制約があるわけではないので、たとえばこの逆さまの向きのデザインから得られる「珍しい印象、風変わりな印象」を活かしたビジネス案を提案してみることもできるのではないかと思います。

たとえばTシャツやコップやその他プリントできる商品にプリントして販売し、その際のキャッチコピーをいろいろとターゲット層に応じて変えるようにすることで、「人を笑わせたい人」、「南半球出身の人」、「世界をひっくり返したい人(世界に何かしら不満のある人)」など、多方面のニーズにも柔軟に対応できるようにする、といったビジネス案にすると、「発想力」や「知的好奇心」で少しポイント加点が得られるかも知れません。

 

といったようなことをアドバイスいたしました。

 

彼も「そういう視点か!」と、一本取られたといったような反応をしていましたが、この「視点切りかえ」をもっと鍛えることができれば、論理的思考力や批判的思考力に留まらず発想力まで強くなり、就職にせよ起業にせよ、これからの世界で生きていくための強い戦力になるのではないかと思います。(問題分析力だけでなく問題解決力も鍛えられることになる)

新しい分野の開拓でともに大変ですが、良い機会だと感じています。

引き続き全力でサポートしたいと思います!

 

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明日に第一志望の後期試験を受ける受験生は、今日は最後の総仕上げで数学の記述問題を全問チェックと、英語も長文2題と文法問題をチェックいたしました。

数学は円順列の固定法くらいしか考え方のミスはなく、英語も文法は非常によくできたので、得点数を最大化するため問題の解く順番などの最終チェックを行いました。

 

この2週間でできることは十二分にやってきたので、明日はとにかくシッカリと自分の実力を出し切ってほしいと思います!