オールラウンド渡辺です。
まだ受験が終わっていない受験生もまだまだ怒涛の気迫で成績を上げていますが、受験生だけでなく高校1、2年生も来週から学年末テストということで、クラブ活動も休止期間に入り各自の目標達成に向けてオールラウンドで自習を頑張っています。
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今日は、自習に来た全学年の高校生に英語・数学・現代文の解説をしました。
数学は、
『2次関数の異なる2実数解αとβ(α<β)がともに1よりも大きくなるための条件の、視覚的理解』
『群数列』
英語は、英作文の添削
現代文は、
『評論問題の着目(指示語、対比、具体例etc)の解説』
『抽象的な話によく出る重要語句の意味』
などを解説しました。
数学の上記視覚的理解は文字にすると分かりにくいので図を描いた写真を添付しましたが、1年生から『「1よりも大きく」ではなく「0よりも大きい」場合だったら、α+β>0かつαβ>0が条件だというのは理解できるんですが、何で1よりも大きい場合の条件が(α-1)+(β-1)>0かつ(α-1)(β-1)>0という風になるのかが分からない』という質問を受けました。
たしかに数式だけ見ていると何だか不十分な感じというか、ほんとにその不等式だけで過不足なく「1よりも大きい」ということを証明できているのか分かりにくいですよね。。
ということで、写真のようにxy図で「0よりも大きい」バージョンと「1よりも大きいバージョン」を図示し、「0よりも大きい」バージョンの条件「α+β>0かつαβ>0」にある「α」と「β」は、実は「0からα(またはβ)までの距離」のことであって正確に書くと「(α-0)+(β-0)>0かつ(α-0)(β-0)>0」となるのが省略されていると説明しました。
そしてそこが理解できた上で改めて「1よりも大きい」バージョンを図示し、今回は当然「0」を「1」に置き換えて、「1からα(またはβ)までの距離」という視点で考えてみれば、後はもう既に理解できている「0よりも大きい」バージョンと同じ話になる(だから、この質問は実はもうすでに自分で理解・解決できている話でした)という説明をしました。
図で見ると理屈がだいぶ理解できたということで、あとは反復練習で定着させる作業のみですが、もし理解が不十分だった場合はまた別の説明例も考えていきたいと思います。
群数列は受験生泣かせの問題の1つではありますが、「数字自体」の計算と、数字の列が何個あるかという「個数」の計算が入り乱れている感じがやや抽象的なため複雑に見えるだけで、今回も高校2年生から「何をどうしてよいのかサッパリ分からない」と質問を受けましたが、問題の解法テクニックの数自体は非常に限られているので、「どこに着目するか」、「だいたいどういう問題が問われるのか」、「だいたいまず何に手をつけたらよいのか」といった、『問題を読む前から事前に予測できる(しておくべき)パターン』を解説いたしました。
だいたい群数列は「第k群の1番目」を出せるようにだけ訓練しておけば後は普通の数列問題とやることはあまり変わらなくなるので、『とりあえずのゴールとして群数列amの 第k群の1番目をbnとおいた上でmをnの式で表しさえすれば後はだいぶ楽になるので、群数列のいろんなパターン問題に圧倒される前にまずはそこだけを丁寧に練習して正確に出せるようにすればよい』といったことを解説しました。
群数列ができるとだいぶ数学の成績も上がるハズなので、2年生の段階で解説することができ、この先の伸びが非常に楽しみです。
現代文は、これまでに解説したような「筆者の主張とそれに反するものを対比した構造に分ける」、「傍線部を含む一文を全部見て、その一文の中に指示語や専門用語があったらそれらを細かく説明してくれている箇所をキチンと事前に特定しておく」などの解説だけでなく、「哲学など抽象的な文章によく出てくる用語の意味も事前に知っておいた方がよい」といったアドバイスもいたしました。
たとえば、「一義」、「多義」などは何となく「一つの意味」、「たくさんの意味」と捉えられるかもですが「両義」というのが単なる「二つの意味」だけではなく「対称的な二つの意味」というニュアンスがあることや、「観念」、「概念」についても「観念」は「頭の中で考えたもの」で「概念」は「言葉の意味」なので、「観念」の中の一つに「概念」が含まれるといった関係があるなど、なかなか言葉でするのが難しい用語はいろいろとあるので(捨象、演繹、弁証法、認識、現象など)、とくに重要なものが何個かピックアップされて解説されている本を紹介し、改めて学習してみることを勧めてました、近々用語の定着確認テストをしてみようと考えています。
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明後日の月曜に第一志望の私立の後期試験を受ける受験生は、9日発表の第一回目の試験が不合格だったものの気持ちを入れなおし、この2週間は試験に必要な英語と数学をさらにものすごい濃度で勉強しております。
数学は僕が受験時代にも使用していた記述問題集を使っていますが、この問題集には問題のレベルが3段階あり、一番上のレベルは早慶、北大、九大、諸医科大などの問題が出ているので、彼の志望大学では必ずしもそこまで覚える必要がないにもかかわらず「とにかく数学で得点を稼げるだけ稼いでおきたいから」ということで、数学IAの彼の必要な単元は一番上のレベルを含め全レベルの問題を解説しました。
もちろんやさしいレベルから取りかかりつつ毎日の宿題でも復習を課したので、日に日に計算ミスも減ってきて、今日で一応すべての問題を自力で完全解答(説明も含め減点がないような解答をすること)ができるようになりました。
この問題集は問題数こそ他の参考書と比べて非常に少ないのですがマスターすると本当にすごく記述力のつく問題集で、僕自身の受験生時代に1番苦手だった数学を1番得意な科目へと押し上げてくれた良書なので、残念ながら彼の今の偏差値を正確に測ることはできませんが、現時点の数学の解答を見る限りでは十二分に合格圏に入っているはずです。
彼の志望校の形式では解答だけを書けばよいのですが(記述は不要)、記述レベルで数学をマスターできれば解答ミスにも気づきやすくなって得点力が確実にアップするので、とにかく「We cannot work too hard before
exams」精神で明日にもう一度全問題を復習し、万全の状態で本番の試験に臨めるよう最後の総仕上げを行いたいと思います!
英語も、単語や熟語はほぼ問題なく、長文読解さえできれば合格圏内に入ることができると思われるため、彼の志望校より敢えて少し高めの大学用の長文問題集をここ数日は毎日こなしています。
彼は高校入試のときも怒涛の追い上げにより、周囲から「無謀だ」と言われていた志望校を勝ち取った経験があるのですが、昨日は「とくに後期対策を始めてからのこの2週間は、高校入試のときに勝るとも劣らない充実度です」と言っていて僕の視点からも十二分に力がついていると感じているので、この大学入試でも何とか第一志望校を勝ち取ってほしいと思います!
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もう一人の受験生も、政府の補助金問題(合格者数絞り)も影響したのか手ごたえのあった第一志望の立命前期試験が残念ながら合格には届かず、次の7日の後期に向け怒涛の追い上げを始めています。
英国の2科目で勝負する学部と、さらに併願で経営学部にも出願できるということでそちらにも出願し、7日に全試験を受ける予定です。
この経営学部の後期試験には、「経営学部で学ぶ感性」という珍しい科目が課されており、僕も今回初めてその存在を知りました。
その内容は、たとえば
「もしあなたが,歴史上の有名人物と一緒に組んで,今の時代でビジネスを展開するとしたら,誰とどのようなビジネスをしますか。21行以上30行以内で記述しなさい」
「次の写真を見て,あなたが感じたことを21行以上30行以内で記述しなさい。(写真は、自動車電話をかける舞子が写っている1988年の写真)」
といった内容の3つの問いに対して計1800字程度の文章を書かせるもので、
経営学部で学ぶうえで期待される「知的好奇心」、「観察力」、「洞察力」、「発想力」を評価し、併せてそれらを他者に伝える「文章表現力」も評価することを出題の基本方針としているそうです。
高校までは答えが一つに定まらない問題を解く練習をする機会が少ないこともあり彼としても昨日は独力ではどうにも手のつけ方が分からなかったため、過去問にもネットにも答えや解法が載っていないながら、受験者に求められている「知的好奇心」、「観察力」、「洞察力」、「発想力」の点から想像される「どういうことを考えながら取り組めばよいか」に関して下記の通りいろいろと解説をいたしました。
たとえば「電子書籍の台頭により本をもつメリットが少なくなっている」といった内容の文章を読んだ後「あなたの感じることを書きなさい」という問題では、そのまま本来の「本」としての実用性だけに着目すると電子書籍(と物質的な本の生産廃止)に賛同するだけにとどまるので、評価ポイントの「発想力」に着目し例えば「お土産の置物など、実用性はないが思い出として価値のある物もあるので、本にも、たとえば思い出用としてなど本来の実用性とは違う切り口でとらえた場合にはまだまだ価値をもつ余地があるのではないかと感じる」という風に答えてみるなど、
また、写真問題で、鶴岡八幡宮が写真に載っており、そこには外国人観光客がたくさん写っていて、『新聞記者になったつもりでこの写真にふさわしい「見出し」と「記事」を書きなさい』という風に書かれた問題では、鶴岡八幡宮のことを説明したり「外国人に人気がある」ということを書くだけでは他の解答者との差をつけることができないので、「解答に関して制約があるところや逆に制約のないところをいろいろと書き出してみるとよい」とアドバイスしました。
今回の場合よく考えると別に「鶴岡八幡宮のこと自体について」や「いま外国人観光客が興味をもっている場所は鶴岡八幡宮なのである」という記事を書けとは指示されていないので、そこに着目し、例えば「現在日本の経済は長く低迷しているが、日本の歴史的建造物やアニメなど、アジアの中でも違いのある日本独自の魅力を活かし経済の潤っている購買力の高い国へ観光をアピールすることが、日本の景気回復への非常に有効な戦略の一つとなるのではないか」という風に「日本の経済」の話へとシフトさせてみたりすれば、少しは「発想力」などでライバルとポイント差をつけられるのではないか、といったことをアドバイスしました。
他にも、「提供する側」の立場で「何を提供しようか?」目線だけで考えるのではなく、「客(観客、読者などを含む)」の立場で「どんなものだったら『すごい!ほしい!気になる!嬉しい!ありがたい!そんな方法があったとは!』といった風に自分は思うだろうか?」目線で考えるともう一歩進んだ思考ができる(これはドラッカーのマーケティングの考え方なので、大学経営学部の方針にも恐らく沿った考え方になるかと思います)といったアドバイスをしまして、明日以降で残りの過去問を解きながらさらに「知的好奇心」、「観察力」、「洞察力」、「発想力」、「文章表現力」を磨いていく予定です。
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明日は前期国公立大学入試。
当塾からも2名受ける予定で、とにかく明日ベストパフォーマンスを出せるよう、今日はゆっくり休んで明日に備えてほしいと思います!